フィリピン科学技術省は5月25日、英国とのパートナーシップの下、持続可能な鉱物開発のための研究助成金であるPH-UK(フィリピン-英国)認可を取得した5件の研究プロジェクトについて発表した。
フィリピン科学技術省内の産業・エネルギー・萌芽技術評議会(DOST-PCIEERD)と英国の研究・イノベーション機構内の自然環境研究会議(UKRI-NERC)との合同審査により、オンラインで応募があった18件の研究のうち、以下の5件の研究プロジェクトについて、助成金の支給を決定した。
- 「SusNi」(フィリピンのニッケル部門に関する持続可能な手法開発)
英国地質調査所のポール・ラスティ(Paul Lusty)氏とフィリピンのカラガ州立大学(Caraga State University)のロメルセロネイ(RomellSeronay)教授は、鉱業の影響を評価し、鉱物探査の新規技術を探求することを目指す。
- 「PROMT」(フィリピン鉱山における廃石の改善)
英国レスター大学のガウェン・ジェンキン(Gawen Jenkin)教授とフィリピン原子力研究所のカルロ・アルシーラ(Carlo Arcilla)教授は、持続可能な廃石の管理・改善・復旧をテストするイノベーティブな研究プログラムの構築を目指す。
- 「全国規模から集水域規模でのフィリピン鉱業:レガシーインパクトから持続可能な未来へ」
英国グラスゴー大学(University of Glasgow)のリチャード・ウィリアムズ(Richard Williams)博士とフィリピン大学ロスバニョス校(University of the Philippines-Los Baños)のデシベル・ファウスティーノ・エスラヴァ(Decibel Faustino-Eslava)博士は、国家規模から集水域規模で、廃棄物について改善し、環境を保護するための、地質学的および生物地球化学的ベースの混合的管理アプローチの実現を目指す。
- 「SAGES」(環境に優しく、環境効率が高く、持続可能な鉱物資源管理のためのシステム開発)
英国インペリアルカレッジ・ロンドン校(Imperial College London)のパブロ・ラファエル・ブリト・パラダ(Pablo Rafael Brito Parada)博士とフィリピンのデ・ラ・サール大学(De La Salle University)のアーネル・ベルトラン(Arnel Beltran)博士は、フィリピンにおけるより環境に優しく、環境効率が高く、持続可能な鉱物資源管理のための多分野の専門家による学際的研究プログラム開発を目指す。
- 「フィリピンにおける海洋鉱物資源の持続可能な開発のための枠組み」
英国プリマス大学(University of Plymouth)のイアン・セルビー(Ian Selby)博士とフィリピン鉱山・地球科学局のテオドリコ・サンドヴァル(Teodorico Sandoval)技師は、沖合の鉱物資源管理における経験、専門知識、イノベーションの共有による、社会経済の発展と個人およびコミュニティの福祉を促進することを目指す。
これらの研究により、英国と共同でフィリピンの持続可能な鉱物資源開発を目指す。このPH-UKの提案募集で選ばれたプロジェクトは、最大5万英ポンド(約770万円)の助成金を受け取る。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部