シンガポールのリー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相は6月10日、オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相と共同記者会見を行い、フィンテック・ブリッジ開発で両国間の議論の開始について発表した。
リー首相はこの中で、オーストラリアとの10年間の包括的戦略的パートナーシップ(CSP)に基づいた全体的な協力体制について言及し、昨年追加されたCSPの第5の柱であるデジタル経済について新しいステージに入った意義を強調した。そのうえで、昨年発効した二国間デジタル経済協定は、貿易と将来の経済に対する前向きでオープンで進歩的な態度の成果であり、これに基づいて、両国間のフィンテック・ブリッジを開発するための話し合いを開始することに同意したことを明らかにした。
両国にとって、気候変動への取り組みをサポートするための二酸化炭素の低排出ソリューションに関するコラボレーションが重要であり、シンガポールの南洋理工大学のエコラボ(Nanyang Technological University's Eco Labs)に拠点を置く、低排出燃料・輸送と港湾運営のための技術に関する官民パートナーシップを含め、具体的なパートナーシップが模索されていることを紹介した。
さらに、グリーン・エコノミー協定に関するより広範なパートナーシップも模索しており、これにより環境的に持続可能な商品やサービスに関する貿易やそれらへの投資が促進され、環境ガバナンスと気候変動に対応する能力が強化されるとの見込みを示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部