2021年08月
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最新のC型肝炎治療、手頃な価格で利用可能に マレーシア

マレーシアは、官民パートナーシップを通じてエジプトなどと共に開発した手頃な価格のC型肝炎治療を条件付きで登録を許可した。

AsianScientist - 世界の一部では相変わらず旅行が制限されているが、協力は国境を越えている。マレーシアの場合、エジプトとタイのパートナーと協力して、手頃な価格のC型肝炎配合薬の臨床評価を行った。臨床試験の結果は、The Lancet Gastroenterology & Hepatology に掲載された。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は依然として世界中で主なニュースとなっているかもしれないが、背後にはC型肝炎などの病気が潜んでいる。現在、世界中でC型肝炎の影響を受けている人々は約5800万人であり、慢性肝疾患、肝硬変、がんを引き起こしている。だが、これまでに治療を受けたのはわずか13%である。このはっきりとした統計から、毎年約30万人が治る可能性のある病気により亡くなっていることが分かる。

「(C型」肝炎は治癒可能ですが、悪循環があるため必要としているすべての人への治療の提供が妨げられています。この病気はほとんどが『サイレントキラー』であり、診断過程が複雑であるため、患者を見つけ損なうと多くの場合、治療が非常に高額となります」

マレーシア保健省の局長であるヌール・ヒシャム・アブドゥラ (Noor Hisham Abdullah) 博士はこのように説明する。

C型肝炎治療には注意が必要なさまざまな側面が依然として存在する。3〜6カ月で治療できる直接作用型抗ウイルス剤と呼ばれる強力な治療薬を利用できないケースがおそらく最大の課題となっている。

このギャップに対処するために、マレーシア保健省や非営利組織「顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ」(DNDi)、エジプト製薬会社Pharco、マレーシア製薬会社Pharmaniaga Berhad、非政府組織(NGO)の国境なき医師団(MSF)から成る国際チームが結束し、手頃な価格で利用しやすいC型肝炎治療薬を開発し、東南アジアの中所得国に提供を始めている。

話題となっているこの治療法は、C型肝炎ウイルスのNS5Aタンパク質に結合し、ウイルス複製を調節する能力をブロックする薬「ラビダスビル」と、ウイルスRNAを複製する酵素をブロックする薬「ソフスブビル」の併用療法である。

301人を対象にマレーシアとタイで行われた非盲検臨床試験で、チームはC型肝炎に対する薬物併用療法の有効性、安全性、薬物動態を評価した。

信じられないことに、この併用療法の治癒率は97%に達し、治療が難しいと考えられている患者でも十分に使用が許容された。さらに、エイズウイルス(HIV)の治療に使用される抗レトロウイルス薬との相反する薬物相互作用も観察されなかった。つまり、臨床医が両方の治療薬を重複感染患者に安全に処方できることを意味している。

12週間で300〜500米ドル(約3万3000~約5万5000円)という価格であることから、ラビダスビルとソフスブビルの併用療法は、市場で最も手頃なC型肝炎治療法の1つになると期待されている。

先のヌール・ヒシャム局長は「(マレーシアは)『見つけ損なった』患者を見つけるために、積極的に検査を行い、比較的簡単な診断テストを展開し、他の手頃な治療オプションを特定するために臨床研究を実施するなど、治療に最適な価格を利用できるようにしています。本日の発表は、2030年までにC型肝炎を撲滅するという世界保健機関(WHO)の目標を達成するためのマレーシアの長い旅のマイルストーンなのです」と締めくくった。

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