2021年09月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2021年09月

EV用高出力急速充電施設を共同開発 NTUとスタートアップ企業

シンガポール南洋理工大学(NTU)は8月2日、スタートアップ企業エコテク・モビリティと共同で、電気自動車(EV)用に高電力密度充電およびコンバーターシステムの共同開発を進めていることを明らかにした。

シンガポールでは、国内のバス全車両5800台を、2040年までに電気またはハイブリッドバスに切り替えるという計画のため、電気自動車の数百倍以上の高出力を満たす急速充電システムが求められている。

現在の電気自動車用充電設備は比較的に低出力で、電気バス用大容量バッテリーをフル充電するには長時間かかってしまう。理想的には、ドライバーがインターチェンジで休憩中に急速充電を行い、スケジュール通りにルートの運行を続けることである。

共同開発している充電システムは、「ハイパワー・エネルギー・プラザ(High Power Energy Plaza)」と呼ばれ、最大550キロワット(kw)の容量を持つ高出力DC充電器により、複数の電気自動車を急速充電できる。また電動バイク・自動車・小型商用車を充電するための低出力施設にも対応可能である。異なる都市環境で運用される条件を満たし、様々なブランドによる充電器の形状に対応するように設計されている。

エコテク・モビリティ社の創業者ニシャント・アリャ(Nishant Arya)氏は、電気自動車システムと自動車部品で知られる、世界的な多国籍複合企業JBMグループの副会長でもある。

共同開発では、新興市場において有望な国産技術に投資し、実証試験を行い、拡張することに専念するためのリサーチ・トランスレーション・センターの設立を計画している。JBMグループの自動車知識および充電器製造ノウハウと、NTUの高出力充電および電気自動車に関する高い研究実績の恩恵を受けることで、世界市場に向けたシンガポール産の高出力充電製品をつくることができるという。

また、NTUにとっては実績のある企業と共同でその知的財産を活用する貴重な機会となり、将来に向けて研究の商業化への道を切り開く可能性がある。2022年7月までにプロトタイプを完成させ、実証試験を行う予定。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る