2021年09月
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国境と業界を超えた提携を支援、革新的なマッサージチェアの開発に寄与 シンガポール政府系企業

シンガポールの政府系企業、IPI Singapore (IPI)は、国境と業界を超えた企業同士のマッチングを支援し、2015年から2020年にかけて革新的なマッサージチェアの開発に寄与した。

そのマッサージチェアは、健康・ウェルネス製品を扱うOSIM社による「uDream」という商品だ。開発にあたり、OSIM社は2015年10月、企業経営者から主婦まで幅広い消費者向けの製品に組み込むストレス感知のアプリケーションを探していた。同社は既存のネットワークを超えて新たな技術パートナーを獲得するため、IPIの国際的なネットワークを活用した。そしてIPIの仲介によって2017年2月、米国のバイオメトリクス企業であるNeuroSky社を紹介され、同社の心電図(ECG)センサー技術をOSIM社のマッサージチェアに応用することが検討された。

両社の共同開発により、ストレス感知機能をはじめ世界初の5感覚をもったマッサージチェアが完成し、「uDream」として2020年9月に発売された。ストレス感知機能は、人工知能(AI)を搭載した生体認証アルゴリズムと最新の心電図センサーを組み合わせたもので、ユーザーの生理的なストレスや疲労レベルを1分以内に高い精度で測定する。ユーザーは「uDream」を継続的に使用することで、自分のストレスレベルを管理・モニタリングできる。

革新的なマッサージチェア(写真提供:IPI)

OSIM社の最高技術責任者(CTO)であるタン・キア・トン(Tan Kia Tong)氏はIPIの支援について、「私たちの永続的なビジョンである、幸福を鼓舞し、新たな技術的障壁を打ち破ることを追求するために、潜在的なパートナーの学際的かつ国際的なネットワークを提供してくれた」と謝意を述べる。そして「IPIのサポートと対応によって、OSIMの新しいデジタル・ウェルビーイング技術の開拓は加速した。IPIは、さまざまな業界の企業にとって貴重なリソースであり、今後数年間、業界を超えて技術エコシステムの発展に効果的に貢献してくれると信じている」と語った。

OSIM社は長年にわたり、健康・ウェルネス製品のマーケットリーダーとして活躍してきた。競争の激しい健康・ウェルネス業界の最前線では、消費者の要求や技術トレンドに合わせて製品を変化させていく必要がある。

タン・キア・トン氏は「消費者の真のニーズや懸念に対応しながら、個人の健康意識を高めるために、当社の製品に新しい技術を継続的に適用していくことを約束する」と意欲を見せた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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