2021年09月
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5年で世界的なデジタル国家へ マレーシアが計画発表

マレーシアデジタルエコノミー公社(MDEC)が7月19日、「デジタル投資の未来戦略5」(DIF5)と題した5年計画を発表した。この計画は、マレーシアの「デジタルエコノミーブループリント(MyDigital)」の一環で、マレーシアへの投資を促進し、マレーシアのデジタルエコノミーの成長を促すことを目的としている。

DIF5の5戦略は、

  1. (1)デジタルエコノミーに対する500億マレーシアリンギット(約1兆3000億円)の投資
  2. (2)5つの産業セクター、5つのテクノロジー、5つの最先端技術 とデジタルグローバルビジネスサービスにフォーカス
  3. (3)フォーチュン500企業のテクノロジー企業50社をマレーシアに招聘し事業を拡大
  4. (4)Unicorn(10億米ドル以上の価値を持つスタートアップ企業)5社をマレーシアに設立
  5. (5)マレーシア投資優遇措置制度(MSC)区域で高価値雇用を5万件創造

―からなっている。

5つの基幹産業に指定されたのは、
農業、ヘルス、イスラムデジタルエコノミー、フィンテック(金融とITの融合) 、クリーンエネルギー、教育の5テクノロジー分野。この5分野のデジタル化は投資および雇用に大きな影響を与えて同国の国内総生産(GDP)の増加に貢献し、国際的なパートナーシップや知識移転につながると予想される。

先端技術分野でフォーカスするのは、ブロックチェーン、ドローン、エッジコンピューティング、エクステンデッド・リアリティ、先端ロボティクス。これらの5先端技術は、将来的な技術投資の「テストベッド」として位置付けられている。

MDECの投資・ブランディング副社長のレイモンド・シヴァ(Raymond Siva)氏は「マレーシアの多言語環境、デジタルスキルを持つ人材、整備されたインフラストラクチャー、成熟したデジタルエコノミー環境をベースに、DIF5戦略は、マレーシアを国際的な競争力を持つデジタル国家に成長させるだろう」と抱負を語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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