2021年09月
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経済見通しの展開と普及」でディスカッション ASEAN、報告書紹介

東南アジア諸国連合 (ASEAN) は8月23日、 「ASEAN経済見通しの展開と普及」 と題したディスカッションを行い、シンクタンクや専門家、ステークホルダーらに報告書 「ASEAN 経済見通し(ASEAN Development Outlook: ADO )を紹介した。

ASEANは、過去50年間で貧困、教育、健康の課題を改善し、目覚ましい発展を遂げている。加盟する10カ国の国内総生産(GDP)合計は2019年には2兆米ドル(約210兆円)に達し、世界第5位の経済規模となった。報告書では、こうしたASEANの開発の成功と課題を捉え、差し迫った変化や新たなトレンドの中で、地域における 「包括的で持続可能な開発」 を実現するための方法を批判的に検討している。

本報告書は、ASEANにおける社会・環境開発に関して初の分野横断的かつ包括的な評価をしている。

具体的には、

  • アイデンティティ
  • 自然・建築環境
  • 生活
  • 社会福祉・健康

―という4つのテーマを挙げ、

  • 人口動態
  • 移民
  • 気候変動
  • 第4次産業革命

― という4つの変化要因を重ね合わせ、より広範囲な問題分析を可能にしている。さらに諸外国の慣行事例に目を向けるのではなく、設計、実施、評価の観点からASEANに根ざしたアプローチを提唱している。

ディスカッションの開会の挨拶を務めたクン・ポアック (Kung Phoak) ASEAN事務次長 (社会文化共同体担当) は、本報告書に記す政策オプションや提言、根拠のある解決策が、この困難な時代に開発の成果を求められる各国の政策立案者の助けになることを期待している。

本報告書は、英ケンブリッジ大学を中心とした専門家が、ASEAN-China Cooperation Fund (ACCF) の支援のもと、ASEAN事務局と協力して作成した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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