2021年10月
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フィリピンの鳥類、絶滅の危機に 米科学者が調査

森林破壊、生息環境悪化、野生生物の乱獲はフィリピンの鳥類の絶滅リスクを高める要因であることが判明した。

AsianScientist - フィリピンの緑豊かな風景の中では、森林破壊と生息環境悪化のために、以前考えられていたよりも多くの固有鳥類が絶滅の危機に瀕している可能性があり、その中にはまだ発見されていない種も含まれているかもしれない。この調査結果は、科学誌 Frontiers in Ecology and Evolution に掲載された。

7,000を超える島々から成り立つフィリピン諸島は世界的な生物多様性のホットスポットと見なされており、鳥類だけでも600近くの種が生息する。これらの鳥の大部分はフィリピン固有のものである。つまり、他では見ることはできない。

過去10年間で、フィリピン固有種の数は172から258に増加した。これは、中国やインドなど近隣のアジア諸国よりも大きな増加である。しかし、このように広がった生物多様性は、森林破壊、生息環境悪化、野生生物の乱獲によって脅かされている。

憂慮すべきは、絶滅の危機に瀕している鳥類の種の数に関してフィリピンは世界第8位となっていることである。手遅れになる前にこれらの鳥を救おうと、科学者らは競って種の絶滅リスクを高める要因を特定している。

米ユタ大学の研究者が率いるチームは、まず、保全状況と、体重、食餌、垂直分布、営巣中に産まれた卵の数などの特性との関係を判断してフィリピンの鳥類の現状を把握しようとした。

その結果、分かったことは、フィリピン固有種が絶滅のリスクに直面する可能性が非常に高いということだった。さらに、垂直分布の狭さや体重の重さなどの要因も、鳥類を絶滅のリスクにさらしている。研究者らはこれらの測定を通じて、現在はIUCNレッドリストに分類されてはいないものの世界的に脅威にさらされている可能性のある14種を特定した。

筆頭著者であるユタ大学のカイル・キッテルバーガー (Kyle Kittelberger) 氏は「私たちはフイリピンカンムリワシが絶滅危惧種、アカハシサイチョウが近絶滅種になると考えました。現在、これらの2種は世界的に絶滅の危機に瀕しているとは認識されていません」と述べている。

「また、現在パラワンコクジャク、カラヤンクイナ、フィリピンワシミミズクの3種は国際的に危急種であると認められていますが、これらは絶滅危惧種となる可能性が高いと判断しました」と彼は付け加えた。「したがって、これらすべての鳥類は、現在考えられているよりも脅威にさらされている可能性があるため、保全への関心を高める必要があります。」

最終的に、彼らの研究は、フィリピンだけでなく地域全体で、どの種が保全への関心を高めるべきかを特定するためのロードマップを提供する。

「フィリピンが鳥類を保護するためにできる最も重要なことは、高レベルの森林破壊、生息環境悪化、野生生物の搾取に対処し、野生生物のために土地保護を強化し、保全活動への資金を増やすことです」とキッテルバーガー氏は締めくくった。