シンガポールポリテクニック(SP)の海上保安研究センター(CEMS)が、シンガポール海事アカデミー(SMA)とソフトウェア開発会社と協力して、高度な船舶航行シミュレーター(ANRS)を開発した。インドのポータルサイトINDIAaiが10月25日に伝えた。
このシミュレーターは、船舶乗務員の訓練に用いられ、第11回シンガポール海事研究所フォーラムが10月14日に開催され、その週末に開設された。
ANRSは、船の操舵室や航行支援のためのシステムを備えており、訓練生は洋上と同じ臨場感を得ることができる。このような船舶航行シミュレーターの導入は、おそらくシンガポールが東南アジアで初となる。ANRSは、臨場感ある船内環境と人工知能(AI)技術を利用して、訓練生が装着するセンサーからデータを集めて解析することを可能としている。
装着するセンサーには、視線追跡技術を搭載したゴーグルや脳活動を監視するヘッドバンドが使用される。また、危機に遭遇したときに発する声のトーンと脈拍数をモニタリングしており、訓練生を指導するための情報として活用される。
CEMSやSMA、ソフトウェア開発会社の関係者は、この新しいトレーニング施設の導入と改良されるトレーニングプログラムによって、人為的なミスによる海難事故が減らせると期待している。なおSMAの関係者によれば、ANRSは教官のスキルアップに利用するもので、教官の専門技術を学習させることはないとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部