2021年11月
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3つの新種のハゼ、比パラワン島と沖縄で発見 比・日本の研究チーム

日本とフィリピンの研究者チームは、ヨロイボウズハゼ属魚類の体色と系統の関係を研究し、フィリピンのパラワン島から1種、沖縄から2種の新種のヨロイボウズハゼ属魚類を発見しことを論文にまとめ、10月4日、学術誌 Systematics and Biodiversity にて報告した。

研究者チームを率いた、沖縄科学技術大学院大学 (OIST) の前田健博士は、2005年と2012年に沖縄で、既知のヨロイボウズハゼと異なる体色をもつ2種のハゼを発見した。さらに、2015年から2018年に行われたOISTとウェスタン・フィリピン大学との共同研究による調査では、パラワン島からもう1種の新たな色彩型のハゼが発見された。

ヨロイボウズハゼ属の日本唯一の既知種、ヨロイボウズハゼLentipes armatusのオス(左)と、沖縄の川で見つかった新種、キジムナーボウズハゼLentipes kijimunaのオス(右)。

沖縄の川で見つかった新種、ブナガヤボウズハゼLentipes bunagayaのオス(左)と、フィリピンのパラワン島の川で見つかった新種Lentipes palawanirufusのオス(右)。(写真はいずれも前田健博士提供)

研究チームはこれらの3種のハゼが、既知のヨロイボウズハゼの色彩変異の一つなのか、全く異なる別種のハゼなのか解明するため、DNA解析を行った。その結果、既知のヨロイボウズハゼ属19種と異なる種であることを明らかにした。また、ミトコンドリアDNAでは区別ができず、核DNAを含むゲノム全体を解析することではじめて区別できたことから、研究チームはこれらのハゼが比較的最近になって種が分化した可能性を考察している。

新種のハゼは独特の赤い模様を持つことから、沖縄で発見されたものについては沖縄の伝説の精霊から名前をとり、キジムナーボウズハゼ、ブナガヤボウズハゼと、パラワン島で発見されたものは「パラワンの赤いヨロイボウズハゼ」を意味するLentipes palawanirufusと名付けられた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部