シンガポール国立大学(NUS)は11月5日、企業研究所「Cisco-NUS Accelerated Digital Economy Corporate Laboratory 」を設立した。同大学で開催された設立記念式典には、ガン・キム・ヨン(Gan Kim Yong)シンガポール貿易産業相が主賓として出席した。
記念式典であいさつするシンガポールのガン・キム・ヨン貿易産業相(中央)(写真提供:NUS)
シスコとシンガポール国立大学は、主要なテクノロジー分野におけるイノベーションと研究を促進することを目指し、企業研究所「Cisco-NUS Accelerated Digital Economy Corporate Laboratory」を設立した。同研究所はシンガポール国立研究財団から5年間で5,400万シンガポールドルの支援を受けている。
この企業研究所は、シンガポール国立大学のケント・リッジ・キャンパスを拠点とし、重点分野として
―の5つを掲げている。シンガポール国立大学とシスコの人材を結集し、シンガポールのデジタル経済を促進することが主眼である。
シスコのASEAN(東南アジア諸国連合)担当プレジデントであるナヴィーン・メノン(Naveen Menon)氏は、「このデジタルファーストの時代には、国際的に通用するソリューションを提供する、地域のイノベーション能力を構築することが、各国の成功には欠かない。国立シンガポール大学とのコラボレーションを通じて、シンガポールの成長の一翼を担う機会を得られたことをうれしく思う」と表明した。
国立シンガポール大学学長のタン・エン・チェイ(Tan Eng Chye)教授は、「データサイエンス、人工知能、サイバーセキュリティ、最適化、アナリティクスは、本学の主要な研究の強みだ。シスコと提携し、データや人工知能技術を活用して生活環境を改善し、経済機会を創出し、よりつながりのある強靭な社会を構築するためのスケーラブルなシステムソリューションと能力を共同で構築できることを歓迎する」と語った。
シンガポールは、デジタルエコノミー、デジタルガバメント、デジタルソサエティに重点を置いたスマートネーション構想をもつ。この構想の目的には、デジタル化によるビジネスの効率化や新たな雇用と機会の創出、公務員の業務への十分な貢献の実現、さらに全国民がテクノロジーにアクセスし、安全かつ自信を持って利用できるスキルを身につけるためのデジタルインクルージョンがある。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部