2021年12月
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シャモのスキンケアと健康増進でナノハーブ製品を開発 タイ

タイのチュラロンコン大学は11月3日、 シャモのスキンケアと健康増進を目的としたナノハーブ製品を開発し、将来的に商業的養鶏や人間の化粧品、皮膚科用医薬品への利用拡大を目指していることを発表した。

タイでは古くからシャモの飼育が行われており、健康問題に対して様々な治療法が行われてきた。中でも、シャモの皮膚や羽毛に着くダニ、寄生虫、そして真菌症や湿疹が大きな問題であり、ストレスで卵を産まなくなったり、体重の減少、免疫力の低下を引き起こしたりすることが知られている。現在、一部のシャモ農家では農薬を混ぜた水にシャモを丸ごと浸す治療法が行われているが、長期的な使用による残留農薬の危険性が指摘されている。一方で湿疹にウコン粉をすりつけるという民間療法もあるが、皮膚がもつバリア機能により効果が薄いことが分かっている。

この問題に対して、チュラロンコン大学獣医学部生理学科ティーラポン・ヤタ (Teerapong Yata) 博士はナノ技術を用いて皮膚への浸透性を高めた3つのハーブ製品を開発した。

「これらは保水力のあるフィトナノハイドロゲル技術とハーブを組み合わせた革新的な技術です。材料に格子構造のポリマーを用いたことで、有効成分の分子を肌に長く固定して効果的に作用させる。さらに、『フィトナノ粒子』のデリバリーシステムは、成分が皮膚組織に浸透する能力を高め、有効成分をより効果的に働かせることができる」 とティーラポン博士は語る。

これらのナノハーブ技術は、シャモだけではなく、化粧品や医薬品といった人間向け製品への応用も期待できるという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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