2021年12月
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米国、ASEAN諸国との戦略的パートナーシップ強化で1億ドル供与

バイデン米大統領は10月26日、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との戦略的パートナーシップを強化するために、1億200万米ドル(約117億円)までの資金を提供する用意があることを発表した。

米国は「自由でオープンなインド太平洋地域」を後押しし、4つのイニチアチブを柱に ASEAN諸国との関係の強化を図っている。ヘルスイニシアチブ(U.S.-ASEAN Health Futures)では、パンデミックへの対応で米国が世界をリードすることを明確にし、共同研究の前進、医療システムの対応能力の拡大、および医療分野の人材育成を促進するために4000万ドル(約46億円)をASEAN諸国に提供する。

米国は過去20年間に、ASEAN諸国の公共医療システムの充実を支援するため35億ドル(約4兆円)を投資しているが、今回の投資はこれまでの投資に上乗せするかたち。ヘルスイニシアチブは、ASEAN諸国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックへの対応を助けるだけでなく、諸国が将来発生するかもしれない動物由来感染症や伝染病に対して十分な予防、検知、対応能力を持つよう支援していく。

気候変動イニシアチブ(U.S.-ASEAN Climate Futures)では、気候変動による危機への対応、地球温暖化を1.5℃以下にとどめるための対策に焦点を置き、2050万ドル(約23億円)をASEAN諸国に提供する。

経済イニシアチブ(U.S.-ASEAN Economic Futures)では、経済的な成長機会を促進してパンデミックでもたらされた経済的ダメージからの回復を図るため、新規融資に1000万ドル(約11億円)、また米国とASEAN諸国間での貿易やイノベーションにおける協力のサポートに1000万ドル(約11億円)を提供する。

最後の十億人イニシアチブ(Billion Futures)は、米国とASEAN諸国の人口が合わせて約10億人になることから名付けられ、教育関連ローンに1600万ドル(約18億円)、英語教師のトレーニングに150万ドル(約1.7億円)、ジェンダー平等・公平の確立に400万ドル(約4.6億円)を提供する。

イニシアチブの実際的なプログラムの実行に関しては、USAID(米国国際開発庁)、CDC(疾病予防管理センター)、NASA(航空宇宙局)、DFC(国際開発金融公社)などの米機関も協力していく予定。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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