2022年01月
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「母親になると研究中断」「サポートに感謝」...シンガポール南洋理工大の女性研究者らキャリア形成を語る

シンガポールの南洋理工大学(NTU)社会科学部のヴィクトリア・レオン(Victoria Leong)准教授、機械・航空宇宙工学部のヨン・ワイ・イー(Yeong Wai Yee)准教授、材料科学・エンジニアリング学部学部長のラム・イェン・ミン(Lam Yeng Ming)教授は、STEM分野でのキャリアを成功させるためにどのような取り組みや支援が必要かについてそれぞれの思いや経験を披露した。

(左から)NTUのレオン准教授、ヨン准教授、ラム教授(写真提供:NTU)

まず、幼い頃から科学に魅了されたレオン准教授は、学外活動で研究活動の資質を磨いたうえで、現在の職に就いた。レオン氏は挫折や失敗もある研究生活の中で、家族、友人、共同研究者、指導者からのサポートを得ることや前向きな姿勢でいることが重要だと話した。

女性が研究者のキャリアを形成し、STEM分野での男女間のキャリアの格差を縮めるうえで、家族や職場からのサポートが不可欠だ。従来、女性には介護のための大きな負担がかかっていた。シンガポール教育省の統計によると、同国では近年、STEM分野の学位を取得する女性の割合が増加している。しかし、NTUが主導した研究によると、STEM分野の職業に就く数は依然として男性が上回った。

そうした状況の中、レオン氏は「若い研究者がキャリアをスタートさせ、それを継続できるように、NTUがサポートしてくれていることに感謝している。フレックスな勤務体制のおかげで、私は生産性の高い方法で時間を調整することができる」とサポートへの感謝を表明した。

次に、ラム教授は多忙な研究生活の中でのキャリア形成に言及し、「自分にとって何が一番大切か、何に時間をかける価値があるか、どうすればもっと効率的に仕事ができるか、優先順位をつけて理解する必要がある」との考えを示した。

そして、ヨン准教授は「母親になると課題が大きくなり、他の職場でも同じような課題が見られる」とし、「私は生まれたばかりの子どもの世話をするために、4カ月間の産休を取った。研究をしばらく中断し、授業の成績にも影響が出た。それでもNTUは協力的な大学であり、サポートしてくれるスタッフにも感謝している。私の家族も協力的で、私は幸運だと思っている」と振り返った。

この記事の原文は、NTUが2021年11月3日に公表した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部