2022年01月
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シンガポール、5年間で研究・改革・企業化のサポートに2兆円規模の 投資 副首相表明

シンガポールのヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相は2021年11月30日、科学会議で、基礎研究、研究成果の企業化、国際協力の重要性などについて語った。

シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の設立30周年会議で、ヘン副首相は「シンガポールは科学、技術、革新の黄金時代にある」とし、科学研究・開発分野における同国の取り組みを紹介した。

ヘン副首相は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが科学技術の重要性を再認識させ、そのほか気候変動、住みやすい都市の開発、食料需給、老齢化など、世界には様々な問題が存在することを指摘。こうした問題を解決するために、シンガポール政府は今後5年間、同国の研究、改革、企業化をサポートするため250億シンガポールドル(約2兆700億円)を 投資することを明らかにした。

続いてヘン副首相は、フレミングによるペニシリンの発見に触れ、疑問を提示し、それを解決する基礎研究の大切さについて語り、投資額のうち約3分の1が基礎研究に向けられると説明。現在では、新しい発見をするためには複数分野の協力が不可欠となっていると語り、同会議に保健、ディープ・ラーニング、ロボティクスなど、様々な分野の研究者が集ったことを称えた。

研究分野における国際協力について、ヘン副首相は、シンガポールの国際学際研究拠点であるCEATキャンパスが、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)や中国の上海交通大学など世界各国の研究施設との関係を築いていることを紹介。

基礎研究から革新・応用への転換の重要性については、シンガポールで起業したバイオテクノロジー企業の約3分の1が、A*STARから独立したことや、A*STARと小中規模企業の起業支援組織が協力していることを説明した。

科学技術の発展には人材育成が欠かせないが、ヘン首相によると、シンガポール政府は博士課程を卒業した学生の業界でのキャリア開発や、国外の優秀な科学者を招聘するプログラムなどを進めているという。

最後にヘン首相は、シンガポールの分子生物学研究に貢献したシドニー・ブレナー(Sydney Brenner)博士を称え、シドニー・ブレナー記念賞が創設されたことと、その受賞者にアーロン・チカノーバ―(Aaron Ciechanover)博士が選ばれたことを紹介して、講演を締めくくった。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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