シンガポール国立大学(NUS)や南洋理工大学海外校(NOC) が、コロナ禍のニューノーマル下で成果を挙げている。NUS副学長(イノベーション・事業担当)のフレディ・ボーイ(Freddy Boey)教授が、その実例をNUSのウェブサイト(1月13日付)で以下のように公表した。
(提供:NUS)
NUSは、シンガポールのハイテク企業のディール・フローを生み出す上で重要な役割を果たしている。卒業生研究イノベーションプログラム(GRIP) は、2018年以降、100以上のディープテック・プロジェクトをさらに発展させた。このプログラムの卒業生らは、1700万ドル以上の外部助成金や資金を調達するまでに至っている。こうした成果の背景には、シンガポール国立大学で学生やベンチャー企業が海外市場に触れ、人脈を築く機会を提供している背景がある。
NOCでは、卒業生企業であるパットスナップ(PatSnap)やカルーセル(Carousell)を含むスタートアップ5社が、評価額が10億ドルを超えてユニコーン企業となった。成功した起業家の中には、学生を雇用して新しいスタートアップ企業を設立したり、他の企業に投資したりしている例もあり、人材と資本の成長の好循環に貢献している。
このほか、NOCの卒業生である新興企業マインドファイ(MindFi)社は、パンデミック時に、開発対象を消費者向けのマインドフルネスアプリから現代の職場向けのメンタルウェルビーイングプラットフォームへと転換し、前向きな心と生産的な職場を促進するというビジョンを持って事業を展開している。
NUSは今後さらに世界とのつながりが深め、グローバルな視野を持つスタートアップ企業や起業家の輩出に貢献することを目指す。今年は、シンガポールと中国の間の技術革新と人材開発を促進するために、NUS広州研究翻訳イノベーション研究所(NUSGRTII) が開設される。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部