2022年02月
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公教育イニシアチブで外科手術の感染症防止の意識向上 マレーシア

マレーシアで展開されている手術部位感染に関する公教育イニシアチブは、安全な手術を確保する鍵となり、一般市民が健康について積極的な役割を果たすことができるようになる。

AsianScientist - 今日、外科医師が質の良いメスを扱えることで、外科手術は臨床診療の中心となっている。ただし、これらの手技には、手術部位感染 (SSI) その他多くの合併症が伴うことがある。

悪い衛生状態、あるいは基礎疾患といった他の要因があるために、外科的創傷は、病原体が体に入り込む入り口を作ることがある。SSIは医療現場で発生する感染症の約20%を占め、患者の罹患率と死亡率の主な原因であり、患者の生活の質に悪影響を及ぼす。

ジョンソン・エンド・ジョンソンの一部門であるエチコン(Ethicon)は、マレーシアの一般市民の間でこれらのリスクについての意識を高めようとした。エチコンは、全国メディアであるThe Starと提携して、2021年7月7日に「あなたは、あるいはあなたの愛する人は近いうちに手術を受けますか?」というタイトルでSSIに関する公教育ウェビナーを配信した。

クアラルンプールに所在する大学病院の感染症専門医であり感染管理部門の責任者でもあるサシャーラ・スリ・ラ・スリ・ポナムパラバナー (Sasheela Sri La Sri Ponnampalavanar) 医師は、SSIのうち、おそらく60%は予防可能であると見ている。

サシャーラ医師および同病院の整形外科専門医であるアズリナ・アミール・アッバス (Azlina Amir Abbas) 医師は、オンラインで無感染手術のベストプラクティスについて強く訴えた。最初のプログラムはズームとフェイスブックを利用して上映され、マレーシア全土で350人以上に配信された。一方、アジア太平洋地域でのSSI予防に関する専門家解説では、主な問題は患者の意識と責任感の欠如であるとされた。

著者らは「術前の入浴に関する患者のコンプライアンスが十分でなく、完全なものでなければ、最善のSSI予防措置もうまく働かないだろう。地域によっては、術後のケアの指示に関する患者や家族の意識が低い場合があり、退院後のSSIのリスクが高まる」と指摘する。

エチコンの公教育セッションは、これらの問題を解決できる予防戦略を模索しつつ、患者とその家族が感染予防において積極的な役割を果たせるようになることを目的としていた。セッション中、視聴者は多くの質問を投げかけ、術前・術後の外科的ケアで指導力を拡大したいという希望を示した。

全体の視聴者の98%がセッションを適切、適用可能、有益であると評価した。このプログラムは、一般市民の間で安全な手術に対する理解と確信を深める基礎を築くと同時に、継続的な教育の必要性を明らかにした。

意識の格差はまだ存在しているため、エチコンは医療従事者と一般市民の両方に向けて、SSI予防戦略の継続的な推進に取り組んでいる。

エチコンは、教育イニシアチブであるSSIバンドル・サーベイランス・プログラムを通じて、効果的で安全な手術を通じてSSIを予防し、臨床ケアの強化を行い、医師と患者の間で強力なパートナーシップを進めることを目指している。

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