フィリピンとイスラエルが科学技術および技術革新に関する様々な構想を共同で取り組んでいく方針ついて、フィリピン科学技術省(DOST)のフォルトナート・デ・ラ・ペーニャ(Fortunato de la Pena)長官が明らかにした。国営フィリピン通信社(PNA)が伝えた。
デ・ラ・ペーニャ長官と在フィリピン・イスラエル大使、イラン・フルス(Ilan Fluss)氏は1月24日、オンライン会談で国際協力の優先事項について話し合った。同会談でイノベーション・農業・保健に関する協力構想について合意された。デ・ラ・ペーニャ長官は「イスラエルの強みを認識し、DOSTはイスラエル大使館と共に両国の技術革新分野における主要人物らのつながりを築く橋渡しを行い、互いの経験を共有していく」と語った。
(提供:PNA)
フルス大使は、フィリピンでインキュベーター・アクセラレーター施設を設立する意向を表明した。同大使は「イスラエルの技術を実証し、トレーニングと現地研究を実施するスマート農業センターをフィリピンの大学内に設立するイスラエル大使館の計画も共有された」と語った。農業に関する能力開発活動についても将来議論されるほか、保健に関して新薬の発見と医薬品の商品化、またウイルス学とワクチン科学技術施設の設立も進められるという。
デ・ラ・ペーニャ長官はこれまでに、奨学金・客員教授・トレーニングについてもイスラエル当局と取り組んだと語っている。昨年のオンライン会談では、イスラエル科学技術省主任科学者アヴィ・ドムブ(Avi Domb)氏らと、農業(水管理)・人工知能(ロボット工学)・保健(生体医用工学・新薬開発)といった優先分野における協力構想の可能性について話し合った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部