2022年03月
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肥満治療で脂肪燃焼ヒドロゲルを開発、体質量減少を実証 シンガポール南洋理工大学

シンガポール南洋理工大学(NTU)の研究者らは、肥満に関連する代謝疾患に対する新しい治療方法を開発した。1月25日付発表。研究施設の実験では、体脂肪および体重の大幅な減少と、これらの疾患に関する血液中マーカーの改善を実証した。

NTU化学生物医学工学部(School of Chemical and Biomedical Engineering:SCBE)のチームが開発した方法は、皮膚の真下にある脂肪沈着物に、特別に作られたヒドロゲル(hydrogel)をインスリン針で注入することから始まる。注入した箇所に、近赤外光を数日のあいだ1日数回5分間照射して、ヒドロゲルの脂肪燃焼能力を活性化させる。

マウスを使った実験では、この治療法を行った高脂肪食のマウスは行わないマウスに比べて、2週間後に体質量が減少したことを実証した。また皮膚直下の皮下脂肪が40%、体内の内臓脂肪は54%減少し、コレステロール値とインスリン抵抗値が低くなり、この治療法が代謝疾患のリスクを削減する可能性を示した。

研究者らは、この技術革新が、皮下脂肪のみを対象とする高額な脂肪削減方法や、米食品医薬品局(FDA)が承認する副作用を伴う肥満薬の代替となることを期待している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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