2022年03月
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医療機器分野の推進で石油公社と提携 タイ国立科学技術開発庁

タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は2月11日、NSTDAとタイ石油公社(PTT)が医療機器の研究と開発において、新しい提携関係を結んだと発表した。この提携は、タイ政府が推進するBCGエノコミー(バイオ・循環型・グリーンを重視する新経済モデル)の一環で実現した。

(提供:NSTDA)

会見では、タイのアネク・ラオタマス(Anek Laothamatas)高等教育科学研究イノベーション(MHESI)相であるが進行役を務めた。同相はこの中で、医療機器業界はBCGモデルで取り扱う重点分野の一つであると強調した。

タイ政府は、医療機器業界が高性能で国際水準を満たした機器の製造を可能にすることで、2027年までにタイを国際的な医療ハブにしたいと考えている。こうした動きはパンデミックにより、国が直面している医療機器の不足に応えるだけでなく、高齢者の人口が増加するタイの医療ニーズにも合っている。

NSTDAとPTTの連携の下、ヒドロキシルアパタイト・二酸化チタン複合体溶液のコーティング技術の移転と体内に埋め込むためのインプラントデバイスの共同研究が進められている。ヒドロキシルアパタイト・二酸化チタン複合体溶液のコーティング技術は、抗菌特性を持たせたフェイスマスクの製造に役立てられており、PTT が出資するイノポリメド社の事業を強化する。一方、インプラントデバイスの共同研究は、特殊なプラスチックをベースとした頭蓋インプラントのような医療用インプラントの設計を行うため、NSTDAが所管する支援技術・医療機器研究センター(A-MED)の機器開発力とPTTのポリマーサイエンスにおける専門知識を生かして進めている。

会見にはこのほか、BCG医療機器小委員会委員長のぺラッシュ・タイチャヤポン(Pairash Thajchayapong)博士とMHESI常任秘書のシリルグ・ソンシビライ(Sirirurg Songsivilai)博士が出席。また、NSTDAから代表のナロン・シリラーツワラクル(Narong Sirilertworakul)博士、PTTからチーフ・ニュー・ビジネス・アンド・インフラストラクチャー・オフィサーのノパドル・ピンスパ(Noppadol Pinsupa)氏も参加した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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