シンガポール科学技術研究庁（A*STAR）パートナーズセンター（A*PC）は1月14日、中国・蘇州工業園区（SIP）におけるA*PC革新的科学技術パートナーシップ・プログラムを正式に開始した。SIPを通じ、シンガポールのテクノロジー企業に中国での事業拡大と研究開発製品化のための資金とインフラサポートを提供する。 A*STARのウェブサイトが伝えた。

この日のローンチ（立ち上げ）イベントには、中国共産党SIP作業委員会党シェン・ミ(Shen Mi)書記、同共産党SIP作業委員会委員のほか、SIP管理委員会ニ・チアン(Ni Qian)副委員長、在上海シンガポールチュア・テン・ホウ(Chua Teng Hoe)総領事、A*STAR副主席（研究）のアンディ・ホー(Andy Hor)教授、A*STAR副主席兼A*PC執行役員タン・セイ・ウィー(Tan Sze Wee)教授、A*PCの戦略パートナーが出席した。

A*PCはシンガポールのテクノロジー企業向けローンチパッドとして2020年11月に設立された。今回のパートナーシッププログラムでは、A*PCメンバー企業に対し、関連するプラットフォームや機関、資本提供者や専門サービス提供者などの業界リソースとつながることで、中国でのビジネス拡大を支援する。

A*PCはシンガポールの会員企業や、シンガポールでの事業展開に関心を持つ中国のパートナー企業が中国での起業経験や事業展開、市場について理解を深められるよう、メンター制度を設けている。メンターには、優れた起業家、科学者、学術関係者、投資家などが起用され、講義やスタートアップ・ブートキャンプを実施する予定だ。この日のイベントでは最初のメンター10名が正式に任命された。

A*PCのセンター長であるタン・チュアン・セン(Tan Chuan Seng)氏は「A*PCは、イノベーションとテクノロジーのパートナーとして、起業家指導プログラムを通じて指導を行い、会員企業の成功を引き続き支援していく」と意気込みを語った。

A*STARのエンタープライズ部門アシスタント・チーフ・エグゼクティブであるタン・セイ・ウィー(Tan Sze Wee)教授は「A*PCはシンガポールのハイテクベンチャーや中小企業のための発射台としての役割に加え、シンガポールと中国の科学技術イノベーション交流のための主要プラットフォームとなることを想定している」と話した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部