2022年04月
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スリランカ・キャッサバ・モザイク・ウイルスの感染を短時間で判定するイムノクロマト試験開発 タイ

タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は3月9日、タイ国立遺伝子工学バイオテクノロジーセンター (BIOTEC)がスリランカ・キャッサバ・モザイク・ウイルス(SLCMV)を検出するためのイムノクロマト試験を開発したと発表した。

SLCMVの感染は、タイのキャッサバ生産地域で拡大している新興の病害である。このウイルスの急激な感染拡大はキャッサバ生産を壊滅状態に追い込む可能性がある。今回開発したイムノクロマト試験は、野外で使用するために設計され、15分以内に判定できることから、感染のスクリーニングや監視に最適だ。

(提供:NSTDA)

BIOTECのチャンナロン・シーピバン(Channarong Seepiban)博士は、今回のイムノクロマト試験の開発に先立ち、SLCMVに有効な酵素結合免疫吸着法(ELISA)を開発している。このELISAは、従来のELISAよりも分析の感度と価格の面で優れた特徴を持っている。しかしながら、検査は機器を備えた実験室で行う必要があり、結果を得るため1~2日の時間を要する。

一方、イムノクロマト試験は扱いやすく、訓練を受けた専門家や機器を必要としないため、現場で簡単に使用することが出来る。しかも、開発したイムノクロマト試験の精度や特異性、感度は、先に開発したELISAと同じレベルだ。

今後、イムノクロマト試験の有効性を実証するためのワークショップを開催し、この検査に関心のある組織に検査キットを配布する予定である。

今回のSLCMVを検出するためのイムノクロマト試験は、NASTDA Annual Conference 2022(NAC2022)で展示される100のイノベーションの中でも紹介された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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