シンガポールの南洋理工大学(NTU)は2月9日、グローバル宇宙技術会議 (GSTC)にて、先進的な超小型衛星を開発するためのコンソーシアムを同大学の衛星研究センターを中心に設立し、宇宙における新天地(new frontiers in space)を目指すことを発表した。
会議には、ガン・キム・ヨン (Gan Kim Yong)シンガポール貿易産業相が来賓として出席。シンガポール宇宙技術・産業企画室 (OSTIn)のデイビット・タン(David Tan)事務局長立会いの下、NTU、Aliena社、LightHaus Photonics社、ST Engineering社、シンガポール国立大学(NUS)テマセクラボラトリーズ との間で研究協力協定の調印式が行われた。
(提供:NTU)
本コンソーシアムでは、小型冷蔵庫ほどの大きさ(100キログラム程度)のリモートセンシング用超小型衛星を製造する予定だ。衛星のシステム開発と製造には、ST Engineering社と、DSO国立研究所 (DSO)、そしてNTUのジョイントベンチャーであるST Engineering Satellite Systems社が参加する。
この超小型衛星は、2011年にNTUとDSOが開発したシンガポール初の国産衛星X-SATなど、多くの衛星が従来使用している低軌道高度(500〜800キロメートル)の半分程度である地上約250キロメートルの超低軌道(VLEO)で飛行するよう設計されている。1年以上のVLEO飛行を可能にするAliena社の低燃費スラスターをはじめ、LightHaus Photonics社が開発したX-SATの20倍の性能を持つ高解像度カメラなど、シンガポールの衛星技術を導入した超小型衛星が開発される予定だ。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部