2022年04月
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重要インフラに強固なサイバーセキュリティを提供する量子安全ネットワーク構築 シンガポール

シンガポール国立大学(NUS)は2月17日、量子工学プログラム(QEP)によって重要インフラや機密データを扱う企業に強固なネットワークセキュリティを約束する量子安全通信技術の国内試験を開始すると発表した。このプロジェクトはシンガポール国立研究財団(NRF)の支援を受け、民間企業と政府機関の15の組織が参加して始める。

ネットワークセキュリティは、今日のデジタル社会の重要な礎となっている。日々のデータの送受信量は数十億ビットに達しているにも関わらず、データを保護する公開鍵暗号は、量子コンピューターによる攻撃に対して脆弱であることが分かっている。

シンガポールの量子安全ネットワーク(NQSN)のメンバーら (提供:NUS)

量子安全通信技術は、特殊なハードウェアと新しい暗号アルゴリズムを用いて量子コンピューターの処理能力の脅威に対抗するよう設計されている。こうした技術は、機密データを扱う組織の通信システムやエネルギーグリットなどの重要インフラを危険から守ることが期待される。

シンガポールの新たな量子安全ネットワーク(NQSN)は、政府機関と民間企業の協力のもとで商用技術を展開し、セキュリティシステムの詳細な評価を行うことになっている。その後、企業がこの技術を採用することを支援するためのガイドラインを策定する。

NQSNの共同コーディネーターであり、フラウンホーファー・シンガポールのサイバー・情報セキュリティ部門のディレクターであるマイケル・カスパー(Michael Kasper)氏は、「量子安全通信は、長期的な情報セキュリティにおいて重要な役割を果たす。NQSNでは、パートナーとの間の暗号化の俊敏性を実証し、産業界や社会で幅広く使用するための量子ネットワークの展開を支援することを目指している」と話している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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