シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究者ら、3Dプリンターによって形成された金属部品の構造を分析し、素材の品質を示すことができる、手早く低コストのイメージング方法を開発した。2月24日付発表。研究成果は、科学誌 npj Computational Material に発表された。
3Dプリンターによる合金のほとんどは、多数の異なる形・大きさ・原子格子配向の極微小結晶で合成されている。NTUの技術は、これらの情報をマッピングすることで、強さや靭性といった特性を推測できるようになる。これは重要な部品を低コストで迅速に調査を行う、航空宇宙部門のメンテナンス・修理・オーバーホール業界におけるゲームチェンジャーとなり得る。現在最適とされる走査型電子顕微鏡は、高額で時間がかかるが、この早く簡易な合金分析方法は、たったの15分で実施でき、わずかな費用しかかからない。
(提供:NTU)
一方、プラスチックの表面に頻繁に塗布することなく曇りと汚れを防ぐ、新しいコーティングを開発した。2月22日付発表。
NTUによる新しいタイプのコーティングは、二酸化ケイ素(silicon dioxide)と二酸化チタン(titanium dioxide)フィルムによる薄くて耐久性のある二層からなり、二段階の技術で塗布される。最初に、接着性をよくするためにプラスチックの表面を洗浄する、酸素プラズマ処理を行う。次に、フィルムを理想の厚さにするためにレーザービームを集中させてコーティングする目標から原料を蒸発させるパルスレーザー堆積を使用して、この薄い二層フィルムをプラスチック表面に堆積させる。
このコーティングは曇りを防ぎ、太陽光(紫外線)にさらされると有機残渣に反応し除去する光触媒能力によってセルフクリーニングを行う。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部