AsianScientist (2022年03月23日)-シンガポールを拠点とする5つの研究プロジェクトは近く、世界最速のスーパーコンピューターを利用して、材料科学から持続可能性までの課題に取り組む。
シンガポールの5つの研究チームが2022年4月から日本の世界最高性能のスーパーコンピューターである「富岳」の高性能コンピューティング (HPC) リソースを利用することができるようになる。このリソースは、シンガポールの国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC) と日本の高度情報科学技術研究機構 (RIST) のパートナーシップを通じて提供される。
NSCCとRISTは2021年11月、プロジェクト募集を通じて、シンガポールの研究者が富岳を定期的に利用できるようにする協定を締結した。初回選考では、両国のHPC専門家が16件の応募を評価した。
5つのプロジェクトが、最長1年間、100万ノード時間のHPCリソースへのアクセスを獲得した。研究内容は、材料工学、先端製造業、気候科学など、さまざまな分野に及んでいる。
承認されたプロジェクトは次の通り。
● シンガポール国立大学(NUS)チーム
「新興材料の非線形光学過程における励起子(れいきし)効果」および「AIで加速された計算流体力学による空と海の相互作用のシミュレーション」
● シンガポールの南洋理工大学(NTU)チーム
「随伴状態移動時間トモグラフィ法を実装した大型HPCコード」および「液体有機水素化合物の脱水素のための安定、活性、選択的なNiベースナノ粒子の設計」。
● シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)
「工学応用のための複合体濃縮傾斜ナノ構造合金の超大規模分子動力学シミュレーション」。