2022年04月
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新たなスパコンで心臓疾患の臨床データ分析・感染症流行の研究が加速 シンガポール

スーパーコンピューターが人工知能(AI)を利用して、臨床医の病気に関する理解を深めることが期待されている。シンガポールでは今年、大規模で複雑な患者のデータを利用して医療研究を加速させる新しいコンピューターが販売される。3月1日、シンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)・シンガポール・ヘルス・サービス (SingHealth)と、米国半導体メーカー「エヌビディア」(Nvidia)の間で、このスーパーコンピューターに関する契約が結ばれた。

標準的なコンピューターが患者データを使用してAIを訓練するには数日かかるが、スーパーコンピューターなら数時間でできる。「私たちは、スーパーコンピューターが標準的コンピューターの100倍の速度になると期待している」と、NSCCの戦略・プランニング・エンゲージメントディレクターのバーナード・タン(Bernad Tan)氏は言う。

最初のプロジェクトの1つは、心臓病患者の臨床データと網膜スキャンを分析するアルゴリズムの設計を手助けし、最も急を要する症例を緊急治療に優先できるようにすることである。心臓動脈のスキャンを分析して患者が循環器疾患を患っているかどうかを判断するための国家AIプロジェクト「アポロ」に使用するAIツールを訓練することにも使用される。また、がん細胞において変異体とともに見つかった新しいタンパク質「ネオアンチゲン」を特定するプロジェクトで使用されているものなどのAIモデルを訓練することも可能である。

NSCCとシンガポール国立大学(NUS)ヘルスシステムは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やそのほかの医療分野の研究を進めるために新しいスーパーコンピューターを構築している。これにはAIを訓練することで患者の状態の将来の予測をすることも含まれる。今年の半ばまでに準備が整うだろうと期待されている。

The Straits Times が3月2日に伝えた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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