フィリピンの森林産品研究所(FPRDI)はオイルを抽出した後の樹皮・木の葉・樹脂といった森林資源から採れるハイドロゾルと固形残留物を利用してお香製品を開発していると発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が3月18日に伝えた。今後、このお香製品が、蚊・ハエ・アリなどに対する虫よけ効果を持つか評価する予定だという。
「試作品を開発し、完成度が十分に高まったら、虫よけ効果について試験を行います。その後、知的財産保護に申請を行い、製品の試験運用を経て、技術の採用と進める予定です」と、FPRDIディレクターのロムロ・アガンガン(Romulo Aggangan)氏は語った。この研究は2023年12月まで実施予定であり、FPRDIから61万2000フィリピンペソ(約147万5000円)が割り当てられている。
オイルを抽出した後の樹皮・木の葉・樹脂など (提供:PNA)
この研究は、FPRDIによる森林技術からの香辛料および香料プログラム(F3TP)の一環として行われている。F3TPは研究開発によって技術革新を生み出し製品開発を実施することで、森林の非木材および木材を調査・利用することを、目指している。
フィリピン科学技術省(DOST)長官フォルチュナト・デラペニャ(Fortunato de la Peña)氏は、「F3TPを通じた未利用資源の開発は廃棄物の蓄積を減らすだけでなく、地方のコミュニティと産業の収入源となる可能性があります」と話している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部