2022年05月
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エネルギー転換へスタートアップを支援...2つの新研究所を設立 シンガポール南洋理工大学

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は4月21日、エネルギー関連のスタートアップ企業の研究開発から商業化への移行を支援する2つの新しい研究所の開設を発表した。

これらの研究所は、NTUとシンガポール企業庁、シンガポール持続可能なエネルギー協会が共同で行っている「エネルギーイノベーションのためのエコラボセンター (EcoLabs)」パートナーシップの一環で開設された。高エネルギー効率と脱炭素を実現する新エネルギー技術や低炭素技術を開発し、シンガポールの将来のエネルギー転換をサポートする予定だ。

(提供:NTU)

1つ目の「エコラボデジタルツイン共同イノベーションラボ」は、オールインワンの統合テストベッド・プラットフォームで、中小企業やスタートアップがエネルギー分野でイノベーションを起こせるよう支援を行う。

もう一つの「NTU-Arrow Inventジョイントラボ」は、技術製品、サービス、ソリューションの世界的プロバイダ企業であるアロー・エレクトロニクス(Arrow Electronics)社とNTUの提携により設立され、中小企業やスタートアップが、ラボのリソースを活用し、ハードウェア機器の利用に加え、専門家による指導を受けることも可能となる。

NTUの学長であるスブラ・スレッシュ (Subra Suresh)教授はラボ設立の意義を次のように話した。

「資源に乏しいシンガポールは、支払い能力、信頼性、持続可能性の間で微妙なバランスを保たなければならないというエネルギーのトリレンマ(三重苦)に直面し、エネルギーニーズと低排出量目標を達成するために、常に新しいエネルギー技術と低炭素技術を模索しています。EcoLabsは、国内外のスタートアップ企業、中小企業、企業協力者、投資家、認証機関、政府機関と連携推進を行うことで、シンガポールのこの分野の取り組みを支持してきました。新型コロナウイルス感染症の大流行から力強く立ち直るためにシンガポールがエネルギーと建築分野の脱炭素化への取り組みを強化する今こそ、これら2つの研究所を立ち上げる絶好のタイミングと言えます」

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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