2022年06月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2022年06月

電気ジープニーのデモ走行を実施...大気の清浄化に寄与 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)とフィリピン電気自動車連合 (EVAP)は、国産の23人乗り電気ジープニー(フィリピンで一般的な乗合車両)のデモ走行を、ムンティンルパ市アラバンで実施した。国営フィリピン通信社(PNA)が5月2日に伝えた。

この車両の特徴は、低炭素型電気自動車の技術と生産基準規格だ。EVAPは、リチウムイオン電池を用いた充電・交換システム、車両運用や日々のローン償却などを含めた現実的な運用方法の検討とあわせて、車両の開発を行った。また、共通部品やコンポーネントの標準化により、コスト削減、安全性の確保、信頼性の向上を図った。

国産の23人乗り電気ジープニー (grabbed from DOST PCIEERD's Facebook pag:PNA提供)

DOST産業・エネルギー・萌芽技術評議会(DOST PCIEERD) のエグゼクティブ・ディレクター であるエンリコ・パリンギット(Enrico Paringit)氏はこの車両の開発について「EVAPの技術者が担当しましたが、研究開発と試作にDOSTから490万フィリピンペソ(約1200万円)の資金提供を行っています」とし、「ToJoモータース(ToJo Motors)社とは、この技術を用いて23人乗りのジープニーを製造する契約をしており、他のメーカーにも採用を呼びかけています。電動ジープニーを導入することで、化石燃料への依存度を減らし、地域社会の空気をきれいにすることができます」と話した。

フォルチュナト・デラペニャ (Fortunato de la Peña)科学技術相は、「DOSTでは、環境に優しい取り組みや代替手段を推進してきました。我が国の交通セクターの電化が、化石燃料の価格高騰から私たちを解放し、同時に環境を保護する方法の一つであると信じています。電気車両の導入を成功させるためにも、政府と民間部門のパートナーに、融資やリースなどの創造的な支援策を提案するように求めています。自動車やその部品の製造が、投資先としてより魅力的になり、最終的に事業者やドライバー、利用客に利益をもたらすことを願っています」と産業界の参加を促した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る