2022年06月
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アブカム社、シンガポールにハブを新設...アジア太平洋のライフサイエンス分野で活動

AsianScientist - 世界的イノベーション企業であるアブカム(Abcam)は、新しい拠点で全世界の医薬品支出の30%を占めるアジア太平洋 (APAC) 地域を支援する。

ライフサイエンス研究者たちと協力して研究を進め、発見を加速させているアブカムは4月27日、シンガポールに最新の地域ハブを正式に開始した。

アジアの医療費は2026年までに135%増加して2.3兆米ドル(約300兆円)になると予測され、この地域のライフサイエンス分野は急速に拡大し続けている。アブカムの新しいハブは、この地域のビジネス拠点として成長を続けるアジア太平洋のライフサイエンス分野にサービスを提供し、科学的・技術的な支援を行う。

アブカムのCEOであるアラン・ヒルツェル (Alan Hirzel) 氏は「過去20年間、科学の質、研究開発への投資、そして世界トップレベルの人材が増えてきたことにより、アジア太平洋地域がライフサイエンスと医療の分野において革新と進歩を推進する中心的な場所になってきました」と指摘。そのうえで「私たちは、シンガポールの活発なライフサイエンスエコシステムの中心にいることに胸を高鳴らせています。新しい地域ハブを通してアジア太平洋の研究者との交流が活発になるでしょうし、世界中のライフサイエンス界が研究の限界を広げるのに役立つでしょう」と話す。

アブカムはバイオポリス・バイオメディカル・リサーチ・ハブ(すぐ近くにこの地域のトップレベルのいくつかの研究所がある)に新たな拠点を構え、世界の製薬企業のトップ10のうち8社をはじめ350以上のライフサイエンス企業が拠点を持つシンガポールのライフサイエンス関連の一員として根を下ろした。

「アブカムがシンガポールをアジア太平洋の新拠点として選んだことをうれしく思います」。

シンガポール経済開発庁の投資促進担当副長官であるジュニー・フォ (Junie Fo) 氏はこのように同社の進出を歓迎し、「シンガポールの活気あふれる医療とイノベーションのエコシステムを活用することで、アブカムはシンガポールのライフサイエンス界を支援し、地域で拡大する医療のニーズに応えていくことができると確信しています」と語る。

正式なオープニングセレモニーでは、シンガポールの科学技術研究庁 (A*STAR) の企業担当最高責任者補佐であるタン・スゼ・ウィー (Tan Sze Wee) 教授が来賓として、アブカムの経営陣とともに出席した。今回のアブカムのシンガポール進出は、中国の上海と杭州、オーストラリアのアデレードでの最近の拡張に加え、アブカムの成長における大きなマイルストーンとなる。

(2022年06月23日公開)

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