2022年06月
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紙製デバイスで茶系飲料のポリフェノール含量を測定...安価で簡単に フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は5月26日、フィリピン大学の研究者らが、茶系飲料の総ポリフェノール含量(TPC)を、安価で簡単に測定できる紙製装置(PBD)を開発したことを紹介した。研究成果は学術誌 Philippine Journal of Science に掲載された。

ポリフェノールは、心臓病、2型糖尿病、ある種のがんに対する予防など、健康に良いことで知られる化合物であり、この成分を豊富に含む植物由来の食品、特に飲料の製造が増えている。こういった商品を輸出するためには、適切な品質管理が必要であるが、フィリピンの中小企業(SME)や一部の大企業は、食品の適切な品質管理を行うことに積極的でない。TPC測定に使用する機器が高価なこと、測定に時間がかかること、さらに分析にはスキルが必要なことがその要因だ。

「SMEが製品中のTPCを確認するために、安価で頑丈で、かつ使いやすい定量化技術を開発する必要があります」と研究者の一人であるリアン・マーティン・サルザ(Riann Martin Sarza)氏は説明する。

従来の装置の替わりになり得る紙製装置 (提供:DOST)

開発されたPBDは、安価で頑丈で使いやすいだけではなく、従来のTCP装置の代替として使用可能であり、糖類やアスコルビン酸による干渉を受けにくいことや、冷蔵条件下で最長57日間保存できることも確認された。現在は、サツマイモの葉エキスベースの茶系飲料やその他の茶系飲料に含まれる総ポリフェノールの分析に用途が限定されているが、今後のPBDの可能性は大きく、市販されている飲料製品の品質向上に役立つと考えられている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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