タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は6月1日、電気自動車(EV)バスコンソーシアムが開発したEVバス試作車4台について一般向けに紹介する記者会見を実施したことを発表した。
公開されたEVのバス試作車4台 (提供:NSTDA)
記者会見は5月31日に行われた。紹介された試作車4台はいずれも、国産部品を40%以上使用し輸入EVバスより30%(700万バーツ=約2700万円)安いという補助金交付の条件を満たしたものになっている。それぞれの概要は以下の通りだ。
- 1. CNC EV BUS...チョクナムチャイ ハイテクプレス(Choknumchai Hi-tech Pressing)社が開発を行った。部品の40%を国内で調達し、軽量な素材を使用することで、エネルギー効率を高めている。
- 2. PTM EV BUS...Phanthong Machinery社が開発を行った。60%の部品を国内で調達し、同国のリチウムイオン電池メーカーと共同開発を進めた。
- 3. EVT EV BUS...タイ王国電気自動車(Electric Vehicles Thailand)社が開発を行った。40%の部品を国内で調達し、主要な輸入部品は、品質を保証するために認定メーカーから調達した。
- 4. SMT EV BUS...サバイモータース(Sabai Motors)社が開発を行った。同社のEV駆動システムのノウハウを元に開発され、2万5000kmの走行試験を完了している。
都市交通EVバスプロジェクトの実施に向けた産学官パートナーシップであるこのコンソーシアムは、
- NSTDA
- バンコク大量輸送公社(BMTA)
- タイ発電公社(EGAT)
- 地方電力公社(PEA)
- 首都圏配電公社(MEA)
- タイ工業規格協会(TISI)
- タイ自動車産業振興機構
- タイ運輸省交通政策計画局
- タイのキングモンクット工科大学北バンコク校
- タイ自動車部品工業会(TAPMA)
―で構成。BMTA、EGAT、PEA、MEAがスポンサーとなり、NSTDAにより運営されている。BMTAが引退した内燃機関バスを電気バスに改造するために地元企業に助成金を支給し、タイのEV産業の能力を強化することを目的としている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部