2022年07月
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量子コンピューティング・安全通信・デバイス製造の能力向上へ...国家プラットフォーム立ち上げ シンガポール

シンガポール国立大学(NUS)は5月31日、2018年に開始されたシンガポールの量子工学プログラム(QEP)の取り組みの一環で、量子コンピューティング、量子安全通信、量子デバイス製造の能力向上を目的に3つの国家プラットフォームを立ち上げたことを発表した。

5月31日に開催された技術イベント「アジアテックxシンガポール(ATxSG)」の開会挨拶で、シンガポールの副首相兼経済政策調整相兼シンガポール国立研究財団(NRF)会長のヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)氏はこの構想について講演した。

ヘン・スイキャット氏はこの中で「NUSとシンガポールの南洋工科大学(NTU)、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、シンガポール国立スーパーコンピューティングセンター(NSCC)が主催する3つの国家量子プラットフォームは、研究機関連携、官民連携を構築し我が国の量子技術を世界最先端に押し上げることを目指す」と表明した。

各組織から集まり、国立量子コンピューティングハブ(NQCH)でコラボするチームのメンバーら (提供:NUS)

ここで紹介されたプラットフォームは、

  • 国立量子コンピューティングハブ(NQCH)
  • 国立量子ファブレスファウンドリ(NQFF)
  • 国立量子安全ネットワーク(NQSN)

―の3つだ。

NQCHはNUS、NTU、A*STAR、NSCCから専門知識とリソースを集め、同国における量子コンピューターエコシステムを構築する予定だ。同時に、国際的な協力関係を構築し、この分野に対する新たな人材育成も行う。

NQFFはQEPの3つの柱である量子コンピューティング、量子安全通信、量子デバイスのマイクロ・ナノ加工を支援し、量子技術エコシステムにおける戦略的ニーズに即した実現可能なデバイス開発を担う。

NQSNは重要インフラや機密データを扱う企業向けに堅牢なネットワークセキュリティを提供する量子安全通信技術の全国規模の実証実験を実施する。

NRFの最高経営責任者であるロー・テック・セン(Low Teck Seng)教授は、これらのプラットフォームについて「量子技術への過去の投資を基に立ち上げられたものであり、今後、参加する各機関と緊密に連携して産業開発を行うことで、さらなる発展を目指すものだ。量子コンピューティング、通信、デバイスの分野における重要な能力を開発し、量子研究エコシステムを強化する役割も担う」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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