フィリピン科学技術省(DOST)は6月6日、フィリピンのホセ・リサール記念州立大学タンピリサンキャンパス(JRMSU-TC)が開発したココナツの皮むき機「SAFitek Coco Dehusker」を紹介した。商業化へ向け、ビジネスパートナーを募集しているという。
新たに開発されたココナツの皮むき機 (提供:DOST)
DOSTは、地域のイノベーションをビジネス化することを目的に、フィリピン全土を対象とした「プロジェクトTransDI」を行っている。この技術も同プロジェクトで支援されたものであり、4月末に行われたデモデーで発表された。
この皮むき機は、フィリピンで流通する全ての品種・サイズのココナツに対応しており、1時間当たり500個以上のココナツの皮をむくことができるという。また、本体重量が350〜750kg程度ある既存の皮むき機と比べ、75kgと軽量であり、移動が容易という利点がある。現在、フィリピン国内のココナツ農家のうち、250万人が手作業に頼っていることから、この技術が普及することで、それらの農家にとって、より安全で効率的な作業環境の実現につながると研究チームは述べている。
この皮むき機の商業化を支援するメンバーの1人であるイェブロン・J・ラグド(Yhebron J. Lagud)教授は、「この技術を製造・販売してくれるビジネスパートナー、加工業者、販売業者を探しています。興味があれば、手頃なライセンス料とロイヤリティ料で、この技術をライセンスアウトすることも考えています」と語り、商業化への熱意をアピールした。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部