2022年08月
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オンライン会議導入で46%が高レベルの疲労感訴えるーシンガポールでコロナ禍の労働調査

シンガポールの南洋理工大学(NTU)の調査によって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴い、ビデオ(オンライン)会議利用の増加が増えたことで、企業の従業員らに高いレベルの疲労をもたらしたことが判明した。7月15日付発表。

研究したNTUのメンバーら (提供:NTU)

COVID-19のパンデミックにより世界中の政府から在宅勤務命令や要請が出されたことで、多くの従業員の間で、ZoomやMicrosoft Teamsなどを用いたビデオ会議の利用が増加した。

そこで、NTUのWee Kim Wee School of Communication and Information(WKWSCI)と同大学のCentre for Information Integrity and the Internet(IN-cube)の研究チームは2020年12月、シンガポール在住のフルタイム労働者で、ビデオ会議プラットフォームを頻繁に使用すると回答した1145人を対象に調査した。その結果、調査対象者の46.2%が、ビデオ会議により、「疲労した」、「圧倒された」、「消耗した」などと高いレベルの疲労感が出たことを回答した。

WKWSCI助教授でIN-cubeのアシスタントディレクターであるエドマンド・リー(Edmund Lee)氏は「多くの企業がハイブリッドワークモデルを採用し、ビデオ会議が重要な役割を果たすようになるにつれ、雇用主は職場におけるこのような技術の利点と欠点の両方に注意する必要があります」と呼び掛けた。

研究チームは今後、ビデオ会議の導入がどのように従業員らを疲弊させるのか、また従業員らによるこれらのツールの使用について企業がどのように改善・最適化できるかを明らかにすることを目標としている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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