2022年08月
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ナマズの加工副産物をタンパク質濃縮レベルの魚粉へ ―循環型経済モデルの確立 ベトナムとオーストラリア

オーストラリアの西シドニー大学とベトナムのホーチミン市第二水産養殖研究所が、産業界パートナーらと協力して、ナマズの加工副産物から高付加価値製品を作り出すコンピュータモデルを使用し、循環型経済モデルの確立を進めている。オーストラリアとベトナムによるベトナム技術革新支援プログラムであるAus4イノベーション(Aus4Innovation)が7月29日に発表した。

この取り組みは、Asus4イノベーションが出資するプロジェクトの一環。2021年のベトナムメコンデルタ地方におけるパンガシウス(ナマズの一種)産業の生産量は、約152万トンと報告されている。そのうち60~70%は加工副産物として廃棄された。このモデルは、頭・骨・ひれ・皮膚・内臓など捨てられていた部位を、安定したタンパク質濃縮レベルの魚粉に加工するのに使用される。これにより農家の飼料コストを削減すると同時に、ナマズ加工業界による環境への悪影響を軽減すると期待される。

ベトナムのナマズの加工工場を視察する西シドニー大学の専門家

ベトナムのナマズの加工工場

産業界のパートナーと議論するプロジェクトチーム

水産養殖研究所を訪れる関係者
(提供:いずれもCSIRO)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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