2022年09月
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タイ初のナツメヤシ組織培養研究所を始動 タイ国立科学技術開発庁

タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)の国立遺伝子工学バイオテクノロジーセンター(BIOTEC)はPソリューション(P Solution)社と共同で、タイで最初のナツメヤシ組織培養研究所を設立した。7月20日、NSTDAが発表した。

新鮮なナツメヤシの需要は拡大しており、タイの新しい経済作物となっている。この研究所は、ナツメヤシの苗木の商業生産を支援し、年間5,000本から10,000本の生産能力で生産者に供給する。最初の出荷は今年10月に予定されている。

(提供:NSTDA)

ナツメヤシはタイ原産ではないため、タイの生産者達は輸入された種子と苗木に頼らなければならない。BIOTECとPソリューション社は、高品質の苗木を低価格で生産者に提供するために、ナツメヤシの大量繁殖技術を開発する共同研究を開始した。開発された技術は、商業生産のために同社に移転された。

この組織培養技術は人気のバーヒ種を基に開発されたが、同研究所はブレイム種やクナイジ種といった商業品種の生産支援を行い、将来的にはタイの生産者による改良品種作出の支援も視野に入れている。またBIOTEC研究チームは大量繁殖のために、さらに発展的な植物細胞培養技術である商業規模バイオリアクターシステムを開発している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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