シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、同国の科学技術研究庁(A*STAR)が運営する実験的薬剤開発センター(EDDC)と共同研究を行い、多剤耐性結核に有効な新しい化合物を開発し、米国に本拠地があるニューロ・ホライゾン・ファーマ(Neuro-Horizon Pharma)社にライセンス供与を行ったと発表した。8月2日付。
(提供:NTU)
開発された化合物は、ニューロ・ホライゾン・ファーマ社によって、多剤耐性結核のための新薬製造に利用される。
現在、発展途上国、先進国ともに結核の患者が増加している。世界保健機関(WHO)は、結核は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に次いで死亡者数が多い感染症であり、毎年150万人が死亡していると推定している。シンガポールでは、6月上旬にジャラン・ブキット・メラ地区において大規模なクラスターが起こり、170名の結核の陽性者が発生した。
今回の化合物の研究と開発は、米国の研究機関(Center for Discovery and Innovation Hackensack Meridian Health)の協力とシンガポール国立研究財団からの支援を得て、NTUとEDDCによって実施された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部