フィリピン科学技術省先進科学技術研究所(DOST-ASTI)は、紫外線(UV)ランプを搭載し、室内を消毒できるロボットの開発プロジェクトに590万フィリピンペソ(約1500万円)を予算化していると発表した。8月15日付け。国営フィリピン通信社(PNA)が伝えた。
フィリピン科学技術省先進科学技術研究所(DOST-ASTI) のロゴ
(フェイスブックから 提供:PNA)
このプロジェクトでは、ロボットにインテリジェントな機能を組み込むことで、UVを使用するリスクを軽減することを目的としている。開発中のロボットは、オフィスや学校、商業施設など、屋内の共有スペースでの利用を想定している。
DOST-ASTIのディレクターであるフランツ・デ・レオン(Franz de Leon)氏はPNAに対し、「UVランプを搭載した既存のロボットがあることは事実ですが、そのほとんどは床面のみを対象としています。UVランプを上部に設置したものもありますが、制御不能な方法で光を照射しており、人間にとって危険なものとなっています」と既存のロボットの課題について指摘した。
2020年に始まったこのプロジェクトは、2021年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によりスローダウンしたものの、2022年には、ナビゲーションシステムを完成させると見込まれ、プロトタイプの完成は2023年を予定している。
「プロジェクトの2020~2023年までの総予算は590万フィリピンペソですが、必要であれば外部資金を確保する予定です。さらに他のDOST-ASTIプロジェクトと同様、ロボットの商業化のために知的財産をライセンスする可能性もあります。最終的な価格は未定ですが、市場で競争力のある価格設定にするつもりです」とデ・レオン氏は述べ、市場化への意欲を見せた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部