2022年09月
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カスタマイズ可能なマイクロニードルパッチの迅速な生産技術を開発―マイクロスパイク タイ

タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、パイサン・カンチャイティット(Paisan Khanchaitit)博士率いるタイ国家ナノテクノロジーセンター(NANOTEC-NSTDA)ナノニードル研究チームが、カスタマイズ可能なマイクロニードルパッチの製造を可能にする最新技術、マイクロスパイクを開発したと発表した。8月23日付け。

マイクロサイズの針で構成されるマイクロニードルパッチは、活性化合物を皮膚の中へと運ぶために使用される。高い生物学的利用能を有する痛みのない新しい薬物伝達の機会をもたらし、美容から治療処置まで幅広く応用可能である。

カンチャイティット博士によると、マイクロスパイクは迅速かつ正確に、カスタマイズ可能なマイクロニードルパッチの大量生産を行うプラットフォームである。この柔軟性があり幅広い有効成分に対応できる技術により、用途と有効成分に合わせてマイクロニードルの形状・長さ・密度を調整できる。経皮性薬物伝達を向上させ、美容および健康治療の可能性が広がる。ジュネーブ国際発明展2022では金賞を受賞した。

マイクロスパイクは、2,000平方センチメートルのマイクロニードルパッチを製造することが可能。これは、従来の製造工程の25倍の生産能力になる。

この独自の技術を基にNSTDAは、スタートアップ企業スパイク・アーキテクトニクス・カンパニー(Spike Architectonics Company Limited)社を設立した。同社CEOのトートラクル・プールソファ(Tortrakul Poolsopha)氏は、現在輸入製品に独占されているタイのマイクロパッチ市場での需要に応えることを望んでいる。同社の業務は、マイクロニードルパッチに関するコンサルテーションから製造にまで及ぶ。スポットパッチ・目元パッチ・フェイシャルマスクなど幅広い製品の製造が可能である。現在は化粧品と健康分野に焦点を当てているが、薬学および生物医学に応用することも計画している。

(提供:いずれもNSTDA)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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