アジア太平洋経済協力会議(APEC)は、タイのチェンマイで第3回高級実務者会合を行い、11月のAPEC首脳会議に向けて議論を深めたことを明らかにした。8月31日付け。
今回の会合では、6月の世界貿易機関(WTO)閣僚会議で合意された多国間ルールや、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた行動計画をめぐる議論を背景に、健康危機、経済、環境の脆弱性といった複雑化した分野横断的課題に対する共通の目標について話し合われた。
APEC2022のホスト国であるタイは、同国が推進するBCGエノコミー(バイオ・循環型・グリーンを重視する新経済モデル)に関する実質的な議論を主導した。BCGエコノミーでは、温室効果ガスのネットゼロ排出、持続可能な貿易と投資、資源管理と環境・生物多様性の保全、資源効率化と廃棄物管理を達成するためにさまざまな取り組みがなされている。そのため、この経済モデルを進めることで、タイだけではなく、APECの持続可能性の追求を目指すことができる。
2022年の高級実務者会議議長であるタニ・トンパクディ(Thani Thongphakdi)氏は、「私たちは持続可能で包括的な貿易などの問題について、アイデアのインキュベーターとしての役割を担うことができます。さらに、民間とも協力しながら、包括的貿易、労働者、国有企業、環境問題などの次世代貿易問題の解決を模索しながら、サプライチェーンの接続性と弾力性に取り組み続ける必要があります」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部