2022年10月
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量子加速ハイパフォーマンスコンピューティングと地上・衛星量子通信で協力へ シンガポールとフィンランドが覚書

シンガポール国立量子局(NQO)が、フィンランドのVTT技術研究センター(VTT)社、IQMクオンタム・コンピューターズ(IQM Quantum Computers:IQM)社およびCSC-ITセンター・フォー・サイエンス(CSC)社と、量子技術分野における研究開発協力を模索・推進することに合意し、了解覚書(MoU)を締結した。シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)が9月2日に発表した。

両者はこのMoUの下、量子技術のハードウエアコンポーネント、アルゴリズム、アプリケーションの開発を加速させ、量子加速ハイパフォーマンスコンピューティングと地上・衛星量子通信の分野で協力することを目指す。量子技術の国家戦略ロードマップに関する知識交換の道も開かれる予定だ。

NQOは、シンガポールの量子技術、人材、エコシステムの開発を推進するため、国家量子戦略の策定と実行を担っている。VTT社は、量子テクノロジーソリューションの開発と商業化において30年にわたる研究経験を持ち、フィンランド初の量子コンピューター「ヘルミ(Helmi)」を保有している。CSC社は、最先端の研究用ICTインフラに基づく科学計算ソリューションを得意としており、最近、ヨーロッパで最も強力な汎ヨーロッパ型スーパーコンピューター「ルミ(LUMI)」の稼働を開始した。IQM社は、スーパーコンピューティングセンターや研究所向けの量子コンピューターの構築で欧州をリードしている。

NQOのエグゼクティブディレクターであるリン・ケオク・トン(Ling Keok Tong)氏は、「フィンランドの量子エコシステムとの連携は、世界をリードする量子技術を開発し、国内の技術者を育成する絶好の機会となります。私たちは、量子技術のフロンティアを押し広げ、エコシステムにインパクトを与えることを楽しみにしています」と述べ、本取り組みの意義を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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