2022年10月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2022年10月

ペルフルオロ化合物への曝露→小児喘息発症の可能性高まる シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究者たちは、ペルフルオロ化合物(PFC)に曝露すると小児喘息の発症の可能性を高めるという研究成果を明らかにした。8月19日付け発表。

(提供:NTU)

子供に発症する最も一般的な呼吸器疾患であるアレルギー性喘息は、アレルギー反応を引き起こす刺激物との接触によって引き起こされる。PFC は工業製品やクリーニング製品に一般的に使われるが、この化合物に曝露すると刺激物に対する体の免疫反応が変化するため、アレルギー性喘息の発症と関係がある。

NTU土木環境工学部のファン・ミンリャン (Fang Mingliang) 准教授とNTUリーコンチアン医科大学のユン・シャ (Yun Xia) 准教授が率いる研究チームは、一般的なPFCであるパーフルオロオクタンスルホン酸 (PFOS) は、低用量でも微生物リポ多糖と呼ばれる細胞膜の中で高分子を不活性化し、マウスの喘息に対する高分子の保護効果を無効にすることを発見した。

チームは、PFOSは若いマウスのイエダニに対する免疫応答を抑制し、その後、重度のアレルギー反応を高める可能性があることも発見した。

チームは、これらの研究結果はPFC とここ数十年における小児喘息の増加との関係の可能性を示唆するものであるとし、PFC への曝露を減らすことの重要性を強調した。

上へ戻る