タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、タイのトゥン・クラー・ローンハイ地方における薬用植物の生産システムと品質を産業界の基準に合わせ、市場志向のハーブ農業を促進する計画の了解覚書(MoU)が調印されたと発表した。9月19日付け。この取り組みには、NSTDA・シーサケート県・ローイエット県・マハーサーラカーム県・シーサケートラチャパット大学・ラチャパットマハサラカム大学・ラジャマンガラ工科大学イサン校・オソサファ(Osotspa)社・クイリムフン・プラチャ(Kuilimhung Prachya)社が参加する。
NSTDA長官スキット・リムピジュムノン(Sukit Limpijumnong)教授は、タイには1万種以上の薬用植物が登録され、うち15.5%が製薬・化粧品・食品・飲料といったさまざまな産業で使用されていることを明らかにした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行以前は、タイの薬用植物を用いた医薬品市場は、520億バーツと評価されていた。
NSTDAの薬用植物産業のための研究は、病原体のない薬用植物を大量生産するための植物栽培・組織培養・バイオアクター技術、オーガニック農業の生態的防除と活用、ハーブ製品のためのナノエマルジョン技術、薬用植物データベース、分析サービスおよび製品テストが含まれ、上流工程に関わるプレーヤーと下流工程に関わるプレーヤーの両方に資する知識の蓄積と技術の開発を行う。
このプロジェクトでは、NSTDAと大学は知識・技術・イノベーションを薬用植物生産者や地域社会に提供し、市場志向の農業を支援する。生産者は生産システムの強化と市場アクセスの改善により、より良い収入を安定して得られることが期待される。パイロットプロジェクトはシーサケート県・ローイエット県・マハーサーラカーム県で開始され、ショウガ・プライ・センシンレン3種類のハーブに焦点を当てる。合計497の生産者がこのプロジェクトに契約している。
(提供:いずれもNSTDA)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部