2022年10月
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ウェアラブルロボットで転倒事故を察知・防止へ シンガポール《動画あり》

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、同大リハビリテーション研究所(RRIS)と同国のタントックセン(Tan Tock Seng)病院の研究者らが、人の転倒を事前に察知・防止し、けがのリスクを軽減するウェアラブルロボットを開発したと発表した。9月7日付け。

病院でのリハビリテーションでも利用できるこのロボットの開発は、シンガポールのロボット工学とソリューション開発を検討する国家プログラムであるナショナル・ロボティクス・プログラム(National Robotics Programme)によって推進された。

このロボットは、モバイルロボットバランスアシスタント(MRBA)と呼ばれ、内蔵センサーでバランスの不均衡を瞬時に察知し、腰回りに装着した安全ハーネスで利用者を支える。また、座った姿勢から安全に立ち上がったり、立った姿勢から安全に座ったりすることをサポートすることもできる。

さらに、深度センサー付きカメラを使って利用者の動きをモニタリングし、機械学習アルゴリズムによりバランス状態をリアルタイムで推定することで、近い将来起こるかもしれないバランスの不均衡や転倒を正確に予測する。

MRBAは、場所を問わず、最小限の介助で使用できるようデザインされており、エレベーターの乗り降りやドアの開閉、身支度、簡単な台所仕事、植物の水やりなどといった日常的な行動が難しい人、あるいは運動能力が低下している人をサポートする。特許を取得したこのウェアラブルロボットについて、現在、シンガポールの在宅介護事業者数社が関心を示している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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