シンガポール国立大学(NUS)は、同大学人文社会学部(FASS)が、預言者ムハンマド生誕記念奨学金基金委員会として知られるLembaga Biasiswa Kenangan Maulud(LBKM)から30万シンガポールドル(約3000万円)の奨学金援助を受け、LBKM社会科学奨学金制度を設立したと発表した。9月22日付け。
コミュニケーションとニューメディア・経済学・グローバルスタディーズ・哲学・政治経済学(PPE)・政治学・心理学・ソーシャルワーク・社会学・人類学を専攻する、シンガポール人の優秀な3年生および4年生がこの奨学金制度を利用できる。FASSの学部生が社会科学分野においてさらに才能を伸ばし、学究的活動に励むことを支援する。1人1年度当たり5000シンガポールドル相当の奨学金への申請は、2023年8月から開始される。
小切手とともに記念撮影に収まるLBKM委員長のサイード・ハルン・アルハブジー(Syed Harun Alhabsyi) 博士(左から2人目)ら
(提供:NUS)
NUS FASS副学部長ロイ・ホイ・チエ(Loy Hui Chieh) 准教授とLBKM委員長のサイード・ハルン・アルハブジー(Syed Harun Alhabsyi) 博士は9月22日、LBKMからNUS FASSに授与された儀礼的小切手とともに、奨学金制度を設立する合意書に署名をした。この奨学金制度は、2007年以来のLBKMとNUS FASSの長期に渡る関係とコミュニティからの寄付の延長であり、学部生を経済的に支援し勉学を奨励するものである。
NUS FASS学部長のライオネル・ウィー(Lionel Wee) 教授は、「デジタル経済の台頭により、社会科学者の需要は高まっています。新しいテクノロジーが人々や社会に与える影響を理解し、急速な変化の中で社会的支援を提供し、ますます縮小する世界のなかで文化の違いを克服するために、社会科学者の知識とスキルが必要とされています。これらは、ロボットやテクノロジーには代替できない役割です」とし、「この奨学金制度は、意欲と能力のある社会科学の学生を集めて育成し、彼らの可能性を最大限に発揮することを可能にします。私たちはLBKMの信頼と力強い支援に感謝しています」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部