2022年11月
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自動運転レベル3のミニバスの開発に着手 タイ

タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、自動運転のミニバスを開発するため、競争力プログラム管理ユニット(PMUC)の資金を活用し、同国の大型輸送機器の大手メーカーとして知られるパナスアセンブリ (Panus Assembly)社とパートナーシップを結んだと発表した。10月21日付け。

NASTDAは現在、自動運転車(AV)の研究開発に注力しており、同国のシリ・ベンチャーズ(Siri Ventures)社やタイ科学サービス局(Department of Science Service)と協力して、6人乗りの自動運転ゴルフカートの試作機製作に成功した。

「自動運転のゴルフカートの試作機が成功し、研究チームは、レベル3のAV開発を行う準備ができました。レベル3のAVでは、状況に応じて人間が運転する必要があります。現在計画している電気駆動の15人乗りAVバスは、最高時速35キロメートルで走る予定です」

NASTDAが所管する鉄道・現代交通研究センター (Rail and Modern Transports Research Center)のスーティー・オラルンリチヌン(Sutee Olarnrithinun)博士は、このように計画の詳細を明かす。

この開発プロジェクトは、主に電気自動車(EV)プラットフォームとAVシステムの2つで構成される。EVプラットフォームの開発では、車両構造、機器選定、車両制御に関わる設計や研究を行い、AVシステムの開発では、センシング技術や制御アルゴリズムを取り扱う。また、技術開発プロセスの設計とサポートを行うため、コンピューター支援エンジニアリング(CAE)を導入し、試作機を作る前に、テストやシミュレーションを行う。

(提供:いずれもNSTDA)

スーティー博士によると、試作機は2023年の完成を目指している。その後、タイ・サイエンスパーク(Thailand Science Park)の敷地内で性能評価や技術改善を実施する。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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