タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、BCGエノコミー(バイオ・循環型・グリーンを重視する新経済モデル)に関する政策委員会が10月31日に招集され、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-o-cha) 首相が議長を務める理事会でBCGアクションプランの戦略分野を推進する複数のイニシアチブを承認したことを発表した。11月8日付け。
(提供:NSTDA)
今回対象となった3つの戦略分野とそれを推進するためのイニシアチブは以下の通りだ。
薬理ゲノム・がん診断精密医療センターと、希少疾患薬理ゲノム・診断精密医療センターの設立案が政府予算6億6,179万バーツ(約25億円)で承認された。また、タイ初の医薬品有効成分(API)製造施設の設立案も承認された。設立にかかる10億バーツの投資は、PTTパブリック・カンパニーリミテッド(PTT Public Company Limited)社、イノビック(アジア)カンパニー・リミテッド(Innobic (Asia) Company Limited)社 、政府医薬品機構(GPO)、NSTDAが共同で出資を予定している。
家畜の感染症管理を目的としたタイのカセサート大学のワクチン製造インフラをアップグレードする5,000万バーツの予算が承認された。また、農家の計画と管理を改善することによって、より多くの収入を得られるように、農業におけるビッグデータ分析支援を目的としたサプライチェーン関連情報の開示を全ての政府機関に命じた。
サイアム・セメント(Siam Cement Public Company Limited)社と世界有数のバイオポリマーメーカーのブラスケン(Braskem)社による、年間20万トンの生産能力を持つバイオポリエチレン生産工場建設の共同投資プロジェクト推進に向けて税制上の障壁緩和を財務省に要請した。
プラユット首相は全ての政府機関に対し、BCGのアジェンダ推進に向けた努力の強化を要請した。投資委員会によると、2022年上半期の投資促進申請は800億バーツに達し、投資額全体の35%を占め、BCG産業への投資が活発化している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部