2022年11月
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移動式指揮通信車両で災害時の救助能力を強化 フィリピン

フィリピン科学技術省 (DOST) は、地域の中でも貧しく脆弱なコミュニティの災害救助・救援能力を強化するために、地域で開発された災害リスク軽減管理 (DRRM) 技術を採用した。国営フィリピン通信社(PNA)が伝えた。

移動式指揮通信車両 (MOCCOV)
(提供:DOST-Region 3)

トリアージ技術を採用している移動式指揮通信車両 (MOCCOV) プロジェクトは、DOSTの「科学技術によるコミュニティ能力強化 (CEST) 」プログラムに基づき資金を受けている。ルソン島のコミュニティ内で起こる災害に備え、パンデミック後の回復能力を強化するために採用される。

MOCCOVを発明したのはフィリピンの発明家デニス・アベラ (Dennis Abella) 氏である。緊急時における管理と準備という任務を確実に遂行し、部隊と資源に関する計画、指揮、調整、制御を行うために使用される設備である。緊急事態に備え、緊急対応計画を実行できるさまざまな機能を備えており、気象観測システム、ドローン、衛星電話などの通信・監視装置を有している。

DOST第3地域ディレクターであるジュリス・シーザー・シカット (Julius Caesar Sicat) 氏は、「こうした技術があれば、実際の災害で中心に近い現場に行き、すべての機能が備わっているコマンドセンターを設置できます。フィリピンが台風ハイヤンに襲われたときよりも準備することができます」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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